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100回の失敗を克服して超伝導線材を国産化

[企業探訪] KAT社、世界でもトップクラスの技術を保有

クリーンエネルギー源開発プロジェクトとして推進されている核融合エネルギー研究開発事業。「人工太陽」と呼ばれるこの「次世代超伝導核融合研究装置(KSTAR)」の核心材料を作るベンチャー企業が大徳R&D特区にある。

大徳テクノバレーに入居しているKAT社(代表 シン·デヨン)は設立3年目、社員20名ほどの小さな会社だが、その製品は水準が高く世界市場でも通用する。これまで日本、ヨーロッパなどから全量を輸入に依存してきた「超伝導線材(ニオブとスズの合金;Nb3Sn)」を開発、生産している。超伝導線材はKSTARの超伝導電磁石を作るのになくてはならない必須の材料。

この超伝導線材外見は細い針金のようであるが非常に高価。一般の銅線は1トンあたり200∼300万ウォンだが超伝導線材は7億ウォンに達する。kgに換算すると1kgあたり700∼900ドルである。超伝導線材はニオブやスズなどの原料も手に入りにくいうえ、特殊な技術が必要なため。

KAT社、高麗製鋼の出資で設立...核融合センターから技術移転

▲ 大徳テクノバレーに位置するKAT社
KAT社は韓国国内屈指の特殊鉄鋼メーカーである高麗製鋼(KISWIRE)の100%出資により設立された。高麗製鋼が1997年からKSTAR事業の推進機関である核融合研究センターとともにプロジェクトに加わったことが縁となり設立されることになった。

当時、高麗製鋼は核融合センターが輸入した線材にクロム鍍金を施し、再びセンターに納品していた。線材に均一な厚さで鍍金するのも簡単ではないが、超伝導線材を製造する技術とは格差が大きかった。

そうした中で高麗製鋼と核融合センターは「我々も輸入にのみ依存するのではなく開発してみよう」と意気投合した。高麗製鋼の超伝導事業部だけ切り離してKAT社を設立することにしたもの。核融合センターでも技術移転を通じてKAT社の超伝導線材開発を支援した。

当時、高麗製鋼浦項(ポハン)事業本部長だったシン·デヨン社長は「超伝導線材は高付加価値材料であるが輸入に依存するしかなかった。我々も技術を磨いて核融合炉が商用化されることを見込んで会社を設立した」と当時を振り返る。

▲ KAT社のシン·デヨン社長
4年間で100回以上の実験...技術力は最高水準と自負

KAT社は設立前から研究を開始した。超伝導線材を作るために経る工程だけでも100段階に達することから2ヶ月程かかった。研究員らは4年間に100回以上の実験を繰り返し、ついに太さ0.78mmの超伝導線材を国産化するのに成功した。

パク·ピョンリョルKAT社工場長は「針金のように細い超伝導線材を磁石を作るために長く生産する技術はおいそれとはできるものではない。わが社の技術は世界最高水準である三菱の18km水準とほぼ同等」という。

イム·ビョンス核融合センター装置建設部の先任研究員は「超伝導線材が少しでも均質でないとKSTARに零下270度で3万アンペアという電流が流れるときに抵抗が生じて超伝導が維持できない。韓国独自の技術で超伝導線材を作るというのは大きな意味がある」と述べた。

▲ KSTARの超伝導磁石の製作過程。超伝導線材を幾度も結って作る。
今回、KSTARに使われた超伝導線材は総重量が27トン(350億ウォン相当)。KAT社ではこのうち2トンを核融合センターに供給した。核融合センターはこの線材を繋いだ超伝導ケーブルを四角形の金属管で包まれたCICC(cable-in-conduit conductor)の形に製作して超伝導磁石を製造、高温プラズマの高磁場を生成、維持することを可能にした。

KSTARは中途段階...ITERを超え、それ以上を目指す

▲ KAT社のパク·ピョンリョル工場長(左)と核融合センターの
イム·ビョンス研究員(右)
韓国は超伝導線材が使用される超伝導電磁石を世界で初めて作り、KSTARの性能を立証したことで国際核融合実験炉(ITER;International Thermonuclear Experimental Reactor)プロジェクトにも参加できることになった。ITERは21世紀の大容量クリーンエネルギー源である核融合エネルギーの商用化を目指して全世界の核融合研究の力量が集結されている。

イム·ビョンス核融合センター研究員はITERへの参加について「先進国で理論だけで知られていたことを我々が実証したことで技術力を認められた。このうち韓国の超伝導電磁石がIETRに使用される予定」という。

KAT社では今年、ITERにテスト用の超伝導線材を供給し、10億ウォンの売り上げを見込んでいる。ITERに100トン規模の超伝導線材を納品する予定で700∼800億ウォンの売り上げを期待している。

シン社長は「KSTARはITERへのワンステップに過ぎない。KSTARは研究用だが、将来は真の商業用核融合炉が作られるだろう」と話している。

パク工場長は「核融合センターと協力して超伝導線材を作るのに成功したもののその過程でインフラがなくて苦労した。アウトソーシングを頼む企業を探すのも容易ではなかった。国家の競争力に直結する技術については政府が基盤を作ってくれればと思う」とその思いを吐露した。

KAT社では超伝導線材以外にもタイヤコード、エンジンバルブワイヤ、電柱補強剤、海底ケーブル補強剤などの特殊線材を生産している。

シン社長は「韓国国内では初めて作る材料なので社員らも楽しみながら働いている。核融合センターと運命共同体と考えて一生懸命に働き、世界をリードする超伝導線材専門企業として成長してゆきたい」と抱負を語った。


KAT社 プロフィール

設立 : 2004年
資本金 : 100億ウォン
住所 : 大田市 儒城区 塔立洞 大徳テクノバレー I2-1-2ブロック
電話 : +8242-939-8702
売り上げ : 2006年 10億ウォン(予想)



itom@hellodd.com
[2006-05-25]

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